食物過敏と疲労 -食事療法の効果-

William G. Crook, MD


Mail Magazine ME/CFS Information, No.12, 2001.11.4

Food Sensitivities & Fatigue -Diet could be a factor-
http://www.cfids.org/archives/1998/pre-1999-article01.asp




 CFIDSの患者を診ている多くの医師が、患者の症状に共通して食物過敏症の影響があると述べています。40年程前、私は初めて、12歳の少年の母親から食物過敏症と疲労やその他の症状との関連を知らされました。私は違う考えを持っていましたが、彼女は、牛乳を摂らないようにすることで、疲労、頭痛、筋肉痛、鬱などの息子の症状が治まったと言うのです。私は、すぐに医学誌から論文[1-3]を探しました。それらの論文によると、牛乳、小麦、トウモロコシ、その他の一般的な食品を避けることで(多くの患者で劇的な)症状の改善が見られたと報告されていました。そして、私は疲労症状を訴える患者達に食事療法を試してみることにしました。全員に効果が見られたわけではありませんでしたが、よく食べていた食品のうちいくつかを控えることで、多くの患者で重い慢性症状が軽快して行きました。それは私にとって驚くべきこでした。

 30年以上前、私は食事が原因となっている疲労やその他の症状を持つ50人の子供達についての論文[4]を発表しました。また、1970年代に入ってからも、いくつか論文を発表しています[5,6]。 70,80年代には、健康に問題がある大人と子供からなる広範な対象群を用いた食物過敏症との因果関係が他の研究者からも報告されています[7,8]。それにもかかわらず、この様なタイプの食物過敏症は、多くのアレルギー専門医や内科医から無視されてきました。それはなぜなのでしょうか?一つの理由は、これらの食物過敏症はIgE抗体に起因するものではないため、実験室で追認することができない点があげられます。それに対して、食事療法では簡単に特定することができるのです。この食事療法とは、いつも食べている食品を控え、一週間後、症状の改善が見られたら、再び、一日1品目づつそれらの食品を食べ始め、そのときの反応を見るというものです(下記エリミネーションダイエット参照)。

 これまでの10年間、多くの研究者が、腸内細菌の様相が変化することで生じる食物過敏症に関連した健康問題について議論してきました。腸内の抗原反応に関する論文で、ハーバードメディカルスクールのW.Allan Walkerは、「それらは栄養上必要以上に大量の抗原性活性分子が腸壁から浸透している、とする実験報告や臨床知見が増えている」と述べています[9]。別の論文[10]で、イギリスの研究者John Hunterは、偏頭痛、過敏性腸症候群、リュウマチ、その他の障害として現れる悪性の食物反応について、食物過敏症を持つ患者には、病原体が見られなくても、腸内細菌には異常が見られると述べています。そして、「食物アレルギーが免疫障害ではなく、腸内のバクテリアの異常醗酵が原因であれば適切な病名は「腸内代謝障害」となります。この事は、単に用語上の問題ではなく、近年のミクロバイオロジーの進歩により、腸内のバクテリアを取り出すことができるようになり、食物過敏症であると考えられていたものが、腸の障害と区別できるようになってきていることを意味しています。

 これまでの15年の経験から、抗生物質の濫用とそれによるイースト菌の異常繁殖は、食物アレルギーや食物過敏症において主要な役割を持っています。そして、多くの専門家達は、疲労、鬱、頭痛、筋肉痛、その他の症状の軽減には、砂糖抜きダイエット、ナイスタチン(ポリエン・マクロライド系抗真菌性抗生物質)、ダイフルカン(女性用感染症予防薬)、その他の殺菌性薬物が重要な役割を持っていることを明らかにしてきました。

 どのようにしてイースト関連の障害を特定するのでしょうか?検便や血液検査から分かることがあるかもしれませんが、診断は臨床所見による部分が多くを占めています。認定内科医George E Kroeker MDは、「残念ながら、カンジダは、実験室における検査手法が確立されていないため、砂糖を控え、種々の殺菌性薬剤を一ヶ月間服用することが最善の方法である。抗体血清、培養などを試したこともあるが、どれも確定的な診断を下すのは困難であった」[11]と述べています。


○参考文献
[1]Rowe AH: Allergic toxemia and fatigue due to food allergy, West Med 1930;33:785.
[2]Randolph TG: Allergy as a causative factor of fatigue, irritability and behavior problems of children. J Pediat 1947;31:560.
[3]Speer F: The allergic/ tension/ fatigue syndrome. Pediat Clin N Amer 1954;1:1029.
[4]Crook WG, et al.: Systemic manifestations due to allergy Pediat 1961;27:790.
[5]Crook WG: The allergic/ tension/ fatigue syndrome. Pediat Ann April 1974. [6]Crook WG: Food allergy - the great masquerader. Pediat Clin N Amer 1975;22:227.
[7]Deamer WC: Pediatric allergy: some impressions gained over a 37-year period. Pediat, 1971;48:930.
[8]Gerrard JW: Understanding Allergies. Springfield IL: Charles C. Thomas, 1973.
[9]Brostoff and Challcombe: Food Allergy and Intolerance. Philadelphia: WB Saunders, 1987:209-222.
[10]Hunter JO: Food intolerance. Lancet 1991;338:495.
[11]Crook WG: The Yeast Connection and the Woman. Jackson TN: Professional Books, 1995:653-654.


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エリミネーションダイエット
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この食事療法を行うのは簡単ではありません。 次にこの療法で行なわなければならないことを挙げておきます。
○始める前に、家族とよく相談して下さい。
○適切な時期に始めて下さい。長期休暇中に始めないようにして下さい。
○始める前に、最低3日以上、症状の経過を記録して下さい。
○続けている期間中、症状の経過を記録して下さい。
○この食事療法の初期段階で食べることができる食品
---野菜(トウモロコシと豆類を除く)
---肉類 (ベーコン、ソーセージ、ホットドッグ、ランチョンミートを除く)
---米、オーツ麦、大麦、代替穀類アマランス、キノア、蕎麦 ---果物(柑橘系を除く、これまで一週間に一度以上食べていた果物を除く)
---水、ハーブティー

○次の食品を避けて下さい。  
牛乳、紅茶、コーヒー、クールエイド、ソフトドリンク、卵、ベーコン、ソーセージ、ホットドッグ、ランチョンミート、ピーナッツ、豆類、トウモロコシ、柑橘系果物、これまで一週間に一度以上食べていた果物、加工食品、砂糖、小麦、チョコレート、着色料、染料。


○これらを症状の改善が48時間以上続くようになるまで続けて下さい(5-10日間)。

○アレルギーを起こす食品を特定するため、禁止していた食品を一日1品目づつ食べ、その反応を記録して下さい。通常、食後数分、数時間、または次の日には症状が現れます。

○注意 喘息、重い蕁麻疹、嚥下障害、その他重いアレルギー症状をお持ちの場合には、この食事療法を始める前に医師とよくご相談下さい。

○食物過敏症の兆候と症状  
鼻づまり  
疲労  
目の下の隈  
頭痛  
筋肉痛  
イライラ  
腹痛  
高揚感  
注意力散漫  
健忘




著者
Dr. William G. Crook
「CFSとイースト菌の関係そしてイースト菌と女性の関係」(63-64ページの項目3080、 3200)の著者、アメリカ小児科学会会員、アメリカアレルギー蝴b息蝟疫学協会会員、アメリカ環境医学協会会員、国際保健基金会長



翻訳:Co-Cure-Japan, Jp-Care


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