慢性疲労症候群様症状を呈する対象群における慢性疲労症候群、線維筋痛症、多種化学物質過敏症

Jason LA, Taylor RR, Kennedy CL.
DePaul University, America


Mail Magazine ME/CFS Information, No.30, 2001.6.1

Chronic fatigue syndrome, fibromyalgia, and multiple chemical sensitivities in a community-based sample of persons with chronic fatigue syndrome-like symptoms
Psychosom Med 2000 Sep-Oct;62(5):655-63
http://www.co-cure.org/infor21.htm


概要

●目的
本研究では、CFS、FM、MCS患者における共存疾患の有病率を明らかにすること、各疾患グループにおいて、疲労、障害、精神的疾患の深刻さと症状の関連を明らかにすることを目的としました。

●方法
イリノイ州シカゴ在住の18675名の方を無作為抽出し、電話による調査を行いました。その後、コントロール群と少なくとも4項目のCFSの症状を満たし慢性的な疲労を持つ方々に対して医学的検査、精神医学的検査を行いました。

●結果
CFS患者32名の内、40.6%がMCSの基準を満たしており、15.6%がFMの基準を満たしてました。MCS単独、または複数疾患の診断を受けた方々は、診断されなかった方々に比べて、より強い身体的疲労を訴えていました。複数疾患の診断を受けた方々は、より強い精神的疲労を訴え、診断されなかった方々に比べて就労率が低いことが分かりました。CFS、MCS、FM単独または複数疾患の診断を受けた方々は、診断されなかった方々に比べて、より強い障害を訴えていました。

●結論
疾患の重複率は、これまでの報告と比べて低くなっていますが、この相違は、サンプリング手法の違いに一部起因しているものと考えられます。CFS、MCS、FMに罹っている方々は、身体的、職業的、社会的活動において深刻な影響を受けています。また、これらの複数の疾患に罹っている方々は、身体的、精神的疲労がさらに深刻となっていました。これらの知見から、本研究で調査した機能障害の範囲内では、これらの疾患群間に差があること明らかとなりました。



翻訳:Co-Cure-Japan, Jp-Care





MCS新患100人におけるCFSとFMSの有病率と重複率

Albert Donnay and Grace Ziem

Mail Magazine ME/CFS Information, No.30, 2002.5.20

Prevalence and Overlap of CFS and FMS Among 100 New Patients with MCS
J.Chronic Fatigue Syndrome, Vol.5,No.3/4,1999
http://www.co-cure.org/infores5.htm


概略

●背景
慢性疲労症候群(CFS)、線維筋痛症候群(FMS)、多種化学物質過敏症(MCS)のうち、二疾患間の重複については、いくつかの研究報告がされていますが、3つすべての重複についての報告は行われていません。本研究では、職業病医学と環境医学専門の開業医からMCSの診断を受けた新患連続100症例を対象とし、MCS単独、MCSとCFS、MCSとFMS、3種の疾患の重複に関する調査を行うことを目的としました。

●方法
MCSの診断は、これまで耐えられた濃度、またはそれ以下の濃度の複数の化学物質に曝されたことで、複数の器官に複数の慢性的症状が誘発されたという医療履歴に基づいて行ないました。MCSと診断された女性68名、男性32名について、それぞれアメリカ国立疾病防疫センターとアメリカリウマチ学会の診断基準を用いてCFSとFMSの評価を行いました。

●結果
100人のMCS患者のうち、88%がCFS、49%がFMS、そして48%が両方の基準を満たしていました。わずかに男性MCS患者の方が女性MCS患者よりもCFSの基準を満たす患者が多くみられました(91%対87%)。一方、FMSは女性MCS患者で二倍以上多くみられました(59%対28%)。女性の過半数(56%)は、3つ全ての基準を満たし、また、それ以外の女性患者のうち31%がMCSとCFS両方の基準を満たしていました。男性では逆の傾向が見られ、3つ全てを満たしたのは28%だけであり、63%がMCSとCFS両方に当てはまったものの、FMSの基準は満たしていませんでした。MCS単独と診断された方は、女性では10%、男性では9%と僅かでした。MCSとFMSの基準を満たすがCFSに当てはまらなかった女性は、さらに割合が低く、僅か2人だけでした。

●結論
少なくともこの臨床集団では、MCSはほとんど単独で起こっていません。CFS、FMS、MCS間の種々の重複に関するこれまでの研究と本研究の結果から、広範囲にわたる疾患の重複が明らかとなったことから、どの疾患の研究においても3つ全てのスクリーニングが必要であり、その結果を示す必要があります。従って、我々は臨床段階や研究プロトコルにおいて標準的にこれらの検査を行うことを提案します。


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●キーワード
疲労症候群、慢性、線維筋痛症、多種化学物質過敏症、有病率、ケースシリーズ

●著者
Albert Donnay:MCS Referral & Resources社社長
Grace Ziem:薬害専門病院経営、MCS Referral & Resources共同設立者。
連絡先:Albert Donnay, 508 Westgate Road, Baltimore, MD 21229

●謝辞
医療記録の調査、データ入力を手伝って頂いたDr.Ziemのスタッフ、Bonnie Cook、Brenda Smith、Beth Demers、また原稿の最終準備をしてくださったMr.Donnayのアシスタント、Conne Prigg、に感謝します。Ann McCampbell博士には有益なコメントを頂きました、ここでお礼申し上げます。



翻訳:Co-Cure-Japan, Jp-Care




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