CFSの進展に伴って生じる患者の変化を理解する ---第一段階---
Patricia A. Fennel
Mail Magazine ME/CFS Information, No.56, 2002.11.8.
サイト:http://www.co-cure.org/phases.htm
原題:Understanding the Different Phases of CFS
著者:Patricia A. Fennell, CSW
所属:Albany Health Management Associates
CFSは、事実上、主要な全ての系に影響を与えており、神経系、免疫系、ホルモン系、消化器系、筋骨格系の障害が報告されています。社会活動が大幅に制限されながらも、わずかなパートタイムの仕事を続けられる患者もいますが、CFS患者のおよそ25%は、家の中だけの生活を強いられていると考えられています。
多岐にわたるさまざまな症状が生じるため、患者がどのような状態で日々過ごしているのか、医師が十分に理解するのは難しいことです。そして、それらを理解するには、身体症状と同様に、社会、感情、家庭への影響を考える必要があります。
CFS患者は、この病気へのより良い対処法を学びながら、質的に異なる4種類の段階を進んで行きます。このことは、患者のいる段階によって、現れる治療効果が異なってくることを示唆しています。
下記では、実際のCFS患者のケースを例として、この慢性疾患の4段階モデルを説明して行きます。
第一段階
トラウマ / 危機的状況
身体面:
“キャシー”は、2人の子供を持つ30代後半の既婚女性で、銀行の非常勤職員として働いていました。これまではときどき風邪をひく程度だったのですが、あるときから、生活や仕事に支障をきたすようないくつもの身体的症状を感じ始めました。常に疲労感がとれず、視力が落ちたようになり、筋肉や関節は痛み、しばしば喉の炎症を起こしました。そして、インフルエンザが長期化してしまったのだろうかと思うようになりました。
このときのキャシーは、第一段階にいるのです。第一段階では、常にすっきりと体調が良いわけではありませんが、大抵それらの症状を無視して、普通の活動を続けることができます。
その後、彼女の病状は、もう無視することができなくなるまでひどく悪化して行きました(発症期の始まり)。医師は、彼女を診察し、仕事や家庭生活について尋ね、それらの症状はストレスによって引き起こされているようだと診断を下しました。そして、リラックスして、もっと睡眠を取り、仕事を減らし、スポーツクラブに入るように勧めました。しかし、それらのアドバイスを守っているにもかかわらず症状は悪化して行きました(急性発症期)。
精神的面:
キャシーは自分の症状をどう説明してよいのかわかりませんでした。そして、そのときどきで気分が変わったり、症状についてのなんら有効な情報がないことなどが原因となって、だんだんつらい思いをするようになりました。彼女は、自分に何が起きているのだろう、周りの人たちが自分のことをどう思っているだろうと考え、心労が募って行きました。
この段階で、彼女はかつてなかったほどの感情の揺動を経験します。このあいまいでしかも多様な症状を示す慢性疾患に対する医療関係者や社会からの認知や支援がないため、先ず患者達は、自らの症状を周りの人たちと一緒になって否定し、「普通」でいようと頑張のです。
その後、症状が悪化して行くと(急性発症期)、否定は何の役にも立たないことに気づき、彼女は恐怖感や羞恥心、孤独を感じるようになりました。そして、再び医師の下を訪れると、広範囲の検査が行われ、恐怖心はますます大きくなっていきました。こうして、ほぼ一年が過ぎようとするとき、キャシーはCFSという仮診断を受けました。
社会面:
キャシーの同僚、夫、子供達は、彼女の変化にすでに気づいていました。彼らの反応は、疑いから支援までさまざまです。彼女は気が変になった、だらしがない、仕事をしたくないだけなのだと思う人もいれば、彼女を信じつつも何もして上げられないことに無力感を感じている人もいました。
第一、第二段階において、患者達は、周りの人々からの非難や拒絶を経験します。そして、それは患者とその家族にとって、さらなるトラウマとなります。各個人が、これらのトラウマに対してうまく対処できるかどうかは、その家族の成熟度によって変わってきます。ここで、キャシーの家族は、CFSのことを誰にどれだけの話をするか、について見極めることを学んで行きました。
ケース・マネージメント:
いくつかの保健関連機関により時間的、経済的な制約が加えられており、医師達は、診療に長い時間をかけないように、急性の症状に集中するよう求められています。そのため、慢性疾患の患者の診療が困難になっている場合があります。しかし、医師達は、患者の差し迫った状況を理解し、円滑な診断を行い、患者とその家族を支援することで、この段階にいる患者にとって一番の助けとなれるでしょう。
翻訳:Co-Cure-Japan, MaO
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