慢性疲労症候群と線維筋痛症候群の原因と有効な治療法 第9回

Jacob Teitelbaum

Mail Magazine ME/CFS Information, No.81, 2003.7.23

サイト:http://co-cure.org/drt9.htm
原題:CFS/Fibromyalgia, Their Causes and How To Treat Them Effectively!
著者:Jacob Teitelbaum, MD



Q CFS/FMSの診断には、どんな検査が必要ですか?

CFS/FMSの診断のための検査はありません。しかし、個々の患者に必要な治療法を決めるのに有効な検査法が多く知られています。さらには、何万ドルもの費用がかかり、特異的で興味深く、そして治療にはまったく役に立たない、という検査法も知られています。しかし、私が焦点を当てているのは、効果的な治療法なので、以下では、私が勧めている初期治療に関連のある、より一般的な検査についてのみ、述べることにいたします。また、私の著書では、特定の患者群を対象としたそのほかの有効な検査法や、それらの検査に保険を適用するために有効な診断名/症状、などについて触れています。もし、あなたの主治医が、これらの検査を行ってくれないという場合は、私のHP www.endfatigue.com にある検査要望書をご利用ください。

CFS/FMS患者の初期臨床評価において行われるべき検査

1.完全血球算定(CBC)


この検査は、安価で一般的であり、多くの情報を得ることができるものです。WBC(白血球数、White blood cell count)が多い場合(9000以上)には、抗生物質感受性感染(antibiotic sensitive infection)の疑いがあります。WBCが少なく、かつリンパ球数が多い場合、特に異形リンパ球(atypical lymphocytes)が存在する場合は、ウイルス感染が考えられます。好酸球(eosinophil)数が高い場合は、アレルギーや寄生虫病が考えられます。また、この検査から、貧血の有無、鉄、葉酸(folate)、B12不足などについても知ることができます。さらに、血球癌(blood cell cancer)でないかどうかの判断や、その他、種々の障害に関する情報を得ることができます。


2.沈降速度(ESR)

この検査は、数値が高い(例えば20以上)場合のみ、医学的に意味があるとみなされます。この検査からは、炎症の有無を知ることができます。実際には、CFS/FMS患者の大部分は、この値が通常より低くなっています。もしこの数値が少し高いようであれば、私は、炎症過程(inflammatory processes)に関するより詳細な検査を行い、低用量のCortefを処方しています。50歳以上の患者で、この値が50以上になっている場合は、リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica)の鑑別が必要になります。これは、治療が容易な炎症性疾患で、FMSと似ていますが、まったく異なる疾患です。


3.血液化学検査

多くの項目がありますが、血糖値(グルコース)、血中尿素窒素(BUN)、クレアチニン(Creatinine)(腎機能と脱水症状のチェック)、SGOT(血清グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ)とSGPT(血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)(alt、astとも言う)、ビリルービン(bilirubin)、アルカリホスファターゼ(alkaline phosphatase)(肝臓や骨の疾患のチェック)、アルブミン(albumin)(プロテイン)、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、尿酸レベルの検査を最低でも行う必要があります。


4.鉄、総鉄結合能(TIBC:total iron binding capacity)、飽和量(percent saturation)、フェリチン・レベル(ferritin level)

これらの検査は、鉄分の欠乏/過剰を調べるもので、どちらも重要な検査項目です。鉄分が過剰な場合、治療は容易(献血する)ですが、見過ごされると肢体不自由になったり、死亡したりする危険があります。血液検査の値が正常の範囲内であっても、鉄が欠乏していることがよくあります。これは、正常であるとされる値の幅が、深刻な鉄欠乏による貧血を対象として設定されているためです。しかし、軽度の鉄欠乏により、疲労、頭にモヤがかかったような状態、寒冷不耐性(cold intolerance)、レストレスレッグ症候群、免疫機能障害、不妊症(infertility)が生じることがあります。このため、飽和量が22パーセント以下、またはフェリチン・レベルが40以下の場合、私は鉄分の治療を薦めています。そして、検査値が上記より上のレベルになるまで、4ヶ月ごとに血液検査を行います。


5. ビタミンB12レベル

通常、209以下が欠乏と考えられていますが、健康な人において、もっと高い値であっても、深刻なB12欠乏が起きる例があります。また、CFS/FMS患者に対しては、体調を維持するために非常に高いレベルが必要であるという結果も得られています。私は、540以下の人にはB12注射を勧めています。また、血中濃度の高低にかかわらず、全てのCFS/FMS患者にB12注射を行うことについては、十分な理由があります。


6.甲状腺検査

多くの医師は、TSH(甲状腺刺激ホルモン)血液検査のみにより、甲状腺機能の評価を行なっているでしょう。しかし、視床下部の機能障害がある場合、この検査の信頼性は、非常に低くなります。私は、TSHの値が3以上の場合、甲状腺ホルモン治療をするよう、強く勧めています。そして、Free-T4レベルの検査も行います。これは、活性ホルモンレベルを調べるための検査です。CFSでは、たんぱく質の結合が変化しているために、他のT4ホルモンの検査結果の解釈は困難です。甲状腺血液検査では、甲状腺ホルモン療法を必要としている大多数の人々を見過ごしてしまうということは、多くの内科医が経験していることであり、また現在では、いくつかの研究によっても支持されています。もし、甲状腺機能低下(今後のニューズレターで述べます)の症状があれば、血液検査の結果に関わらず、甲状腺ホルモンの治療を受けるべきです。


7.コルチゾールとDHEA-Sレベル

これらの摂取は、午前9時以前、かつ、起きてから水以外のものを飲食する前でなければなりません。コルチゾールが14mcg/dl以下である場合、または患者に副腎機能低下の症状がある場合には、極低用量のCortef(通常、一日5〜15ミリグラムで、これはプレドニゾン(prednisone)1〜3ミリグラムに相当します)を処方することになるでしょう。DHEA-Sが女性で120mcg/DL以下、男性で350 mcg/DL以下の場合は、DHEAを処方します。ただし、ホルモン感受性ガン(例:前胸部、卵巣、前立腺ガン)が存在する場合は、必ず医師に確認してから服用してください。


8.尿検査

この検査は、感染症、出血、糖尿病、脱水症のスクリーニングのために行うものです。これらは、どのCFS/FMS患者にとっても大変重要な検査です。

その他にも多くの有益な検査がありますが、これらの検査は、特に重要なものです。


翻訳:Co-Cure-Japan, Miya.


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