慢性疲労症候群と線維筋痛症候群の原因と有効な治療法:第2回
                    −慢性疲労症候群−
Jacob Teitelbaum

Mail Magazine ME/CFS Information, No.83, 2003.8.28

サイト:http://co-cure.org/drt2.htm
原題:CFS/Fibromyalgia, Their Causes and How To Treat Them Effectively!
     Update #2 - Chronic Fatigue Syndrome -
著者:Jacob Teitelbaum, MD



Q: CFSの診断はどのように行われるのでしょうか?

A: CFSに対してのみ陽性となる、決定的な血液検査法やレントゲン検査 法はありません(しかし、検査において多くの異常がみられます)。した がって、CFSの症状があり、かつそれらの症状を引き起こすほかの疾患がな いことから、CFSの診断がおこなわれます。1990年代の始め、私達のCFSへ の理解はまだ初期段階であったため、研究者達は、研究を目的として、非 常に厳密なCFSの基準を作成しました。その基準は、CFS以外の患者を研究 から除外することを目的としているため、かなり厳密なものだったのです。 これは、CFSを持つすべての方々を含めることよりも重要だったのです。し かし、他にCFSの基準がないため、研究目的だけでなく、通常の診断におい ても、以下のCFS基準が使われてきています。

 1994年に、アメリカ疾病対策センターは、CFSを定義するため、以下の基準 を発表しました。

1.先天性で無い、現在の過剰な活動によるものではない、 休息によって解消されない慢性的疲労。 この疲労により、 就労、学習、社会生活、個人的な活動のレベルが、以前に 比べ著しく低下している。

2. 6ヶ月以上疲労が続いており、以下の症状のうち4項 目以上該当すること。そして、それらの症状は、すべて疲 労と同時、または疲労が始まった後に生じていること。
a) 短期記憶力や集中力の大幅な低下
b)喉の痛み
c)頸部や腋下のリンパ節痛
d)筋肉痛
e)腫れや赤みを伴わない複数の関節痛
f)新しいタイプ、パターン、強さの頭痛
g)爽快感を伴わない睡眠
h)24時間以上続く活動後 の倦怠感

この小分類項目(これに重要なことが隠されている場合が多いと思いません か?)では、数多くの症状を呈していたとしても、ここに含まれていなけれ ば、慢性疲労症候群ではないのです。


Q: これらの小分類項目にはどういった意味があるのですか?

A: これらの小分類項目により、CFSを持つ大多数の人々が厳密にいうとCFS ではないという結果になるのです。したがって、CFS患者の数は、実際よりも 非常に少なく見積もられていることになります。たとえば、もしうつ病の病 歴があると、その人は一生CFSと診断されることはないのです。うつ病は、 「活動に喜びを感じない、または通常楽しいと感じる物事に反応しない」状 態であることに加え、理由の無い罪悪感、大幅な体重の減少、頭にモヤのか かった状態、早朝覚醒、早朝の憂うつの増加/早朝の強い憂うつ感、のうちの 3つ以上の症状があることにより定義されます。鬱病の定義は、「活動に喜 びを感じない」または「通常楽しいと感じる物事に反応しない」状態である ことに加え、不適切な罪悪感、大幅な体重の減少、頭にモヤのかかった状態 (brain fog)、早朝覚醒、朝に強い憂鬱を感じる、非常に強い憂鬱感、のうち の3つ以上の症状があることです。これらの定義のうちの多くがCFSにも当て はまるため、CFSであることにより、CFSの診断から除外される結果となるの です。また、人生において2週間、上記の症状があったというだけで、「う つ病」となるのです。

 もし、同様の除外項目が末期ガンの患者に適応されたらどういうことになる でしょうか?もし、患者が上記の広義のうつ病の定義を満たしていれば、そ の患者はガンではないと診断されるのです。私の推測では、これらのガン患 者の90%は、ガンではなくなってしまうでしょう(いずれにせよ、患者は 死を免れないかもしれませんが)。 この基準に当てはまらないために、ガン 患者がガンに関するあらゆる治療上/保険上の恩恵(研究資金を含め)を受け ることができなくなったらどうなるでしょう!残念ながら、これが多くのCFS /線維筋痛症の患者に起こったことなのです。 しかし、CFS/線維筋痛症の原因となるそのほかの疾患を探すことは、重要で あり、そういった点で小分類項目は、重要であるとも言えます。残念なこと ですが、さらに悪いことに、これらの大分類項目は、そのほかの多くの疾患 に関する検査をおこなう意欲を低下させているのです。


編集者注: 以下のこのコメントをDr. Teitelbaumの助手へ送付しました。

Dr. Teitelbaumが除外する/しない疾患にともに含まれているうつ病を小分 類項目の例として取り上げていることは興味深いことです。すなわち、
CFSの除外疾患
3. 過去、または現在、精神病またはうつ病の特徴を伴う大うつ病であ ると診断されたことがある。
そして、 CFSの診断から除外しない疾患
1. ラボ検査によって確認することができない、症状によって定義され る疾患:線維筋痛症、不安症、身体表現性障害、精神病の範囲にならない うつ状態、またはうつ病、神経衰弱、多種化学物質過敏症。

[両方のクライテリアはU.S.疾病管理・予防センターのCFS症例定義改訂版 (簡略版)より]


Teitelbaum博士より以下のコメントをいただきました。

CFSの定義は魅力的だと思いませんか?CFSの定義は自己矛盾しているよう に思われますが、私は、疫病学上の定義するために、うつ病がCFSの中から 除外されたのだと考えています。私は、Leonard Jason博士(CFSの高名な 疫学者であり素晴らしい人物です)の報告書から、このように考えました。 この報告書では、現在のCDCによる症例基準における除外症状の問題につい て触れられています。私は、Leonard Jason博士(CFSの高名な疫学者であ る素晴らしい人物です)の報告書から、このように考えました。この報告 書において、かれはCDCの症例定義における除外疾患の問題について触れて います。これはJournal of Chronic Fatigue Syndrome , volume 5, No. 3/4, 1999 pp 3 -- 33に掲載されています。このなかで20〜21ページにお いて、彼は以下のように述べています。 「アメリカ症例基準において、特 定の精神医学診断を有する人々を除外することには、問題があります。これ は、特に、うつ病、摂食障害、アルコール依存症、薬物乱用の場合に問題と なります。アメリカにおける症例基準では、過去、あるいは現在うつ病と診 断されたことのある人はCFSの診断から除外すると規定しています。D.S.M. ?IVによると、うつ病は、活動に喜びを感じない、または通常楽しいと感じ る物事に反応しない状態であることに加え、理由の無い罪悪感、大幅な体重 の減少、著しい精神的動揺や精神遅滞、早朝覚醒、早朝の憂うつの増加/早 朝の強い憂うつ感のうちの3つ以上の症状があることにより定義されます。 この基準における身体症状の多くをCFS患者も満たしているため、CFSの症状 を持つがゆえにうつ病の基準を満たす可能性があります。特に、憂うつ、体 重の減少、精神活動の遅滞、早朝覚醒は、CFS患者とうつ病患者に共通して 見られる症状です。 うつ病の診断には、これらの症状がわずか2週間続け ばよいのです。病気になるまでの経過の中で、数週間、憂うつになる、また はそういった段階を経ること、あらゆる活動に喜びを感じなくなることは、 珍しくありません。こうした状態から数週間後に回復したとしても、過去に うつ病を患ったということになり、CFSの診断が除外されてしまうのです。」

現在、人口の11.9パーセントの人が1ヶ月以上続く深刻な疲労を持つという のに、CDCの基準では、深刻な症状を持つ約0.4%の方々以外は、すべて除外 されてしまうのです。そして、人口の2-4パーセントの人々がCFSのパターン に当てはまると思われます。しかし、Dr. JasonからCFSの可能性がある方々 の約90パーセントを除外することになる除外原因の内訳を得ることはできま せんでした。分かりやすい表現で言うと、CDCが疫病学研究において使用し ている基準では、ボーイフレンドやガールフレンドと別れた経験があるほと んどの高校生は、生涯CFSから除外されるということになるのです。この報 告は、CDCの統計が、「うつ病」の病歴を持つ人(すなわち、この地球上の ほとんどの人が当てはまる、人生において2週間の間、うつに落ち入ったこ とのある人)をCFSの診断から除外していることを強く示唆しています。こ れが、私がこの例を引用した理由です。


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翻訳:Co-Cure-Japan, Miya .




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